ギブアンドギブ 〔千の47〕

 先週から今週の木曜日あたりまでよく降り、早く梅雨があけてほしいと願っていましたが、梅雨の中の夏日と言いますか、この土、日は猛暑で、午前中のテニスも「熱中症」になっては面目なしと思い、早々に切り上げました。

 2012-11-25〔第838回〕で表題のことを書いています。当時の婦人公論編集長・三木哲男さんのコラムを読んでの感想でした。


*「人と情報が寄ってくる編集者」の話でした。『言うまでもなく、編集者の財産は人脈です。そして最強の編集者には「人と情報が寄ってくる」のです。そういう編集者はどのような人物なのか。よく、「できるビジネスマン」などのビジネス書に、人脈づくりの上手いビジネスマンは、多くの人々と「ギブアンドテイク」で付き合っていると書いています。つまり、相手から貰ったら、必ず返せと。貰いっ放しではいずれ人は離れていく。・・・その通りではありますが、本当に「人と情報が寄ってくる編集者」は、実のところ「ギブアンドギブ」なんです。・・・ライターや作家が講演をすれば休日でも必ず出席しますし、何か調べものがあれば必ず協力します。「ギブ」することに喜びを見いだしているのです。「ギブ」とは何でしょうか。お金やプレゼント、情報もありますが突き詰めると、私は時間だと思います。相手にどれだけ自分の時間を割いてあげられるか。プレゼントするにしても、それを用意する時間に価値があります。自らの睡眠時間や休みを削ってでも時間を提供できる人に、人は集まってきます。それなりの時間が熟成されたあと、結果的にテイクがびっくりするぐらいのものになって返ってきます。本誌に掲載する時折のスクープは部員のもたらした成果で、言わば部員による「ギブアンドギブ」によるものです。本人たちは苦労だと思っていません。むしろ、楽しく躍動的な毎日を過ごしているのではないでしょうか。・・・教育評論家の水谷 修氏が、「一日一つでもいいから、人のために生きてみろ ! そうすると生きることが楽しくなる。と言っています。「ギブ」で生きている人には、私などとは違った世界が見えているのだと思います。想像でしかありませんが、その世界はとても人間的で信頼に値するものではないでしょうか。』・・・これは当時の三木編集長の原文に近い要約です。


*これを読んだ時、これは雑誌編集者だけの特殊な世界のことではなく、どんな職業の仕事の世界でも同じで、いや特に私達の建築設計の世界に通じるものがあると、思ったのです。

 建築事業主〔施主〕には「ギブアンドギブ」で、時間のある限り、自分の持っている知識と知恵、調査による情報、その周辺の資料などトコトン提供することですし、尽くすことなのです。社内においても、先輩や後輩に係らず「ギブ」していく心意気が大切です。想えば、ギブしてギブしていく生き方は、結果的に大きなテイクなることを 74 歳の私が体験しています。


*論語に『己の欲せざるところは、人に施すことなかれ』という教えがあります。・・・自分が嫌だと思うことを人にするなというわけですが、これをあの明治時代の経済界の重鎮・渋沢 栄一さんが、これを逆に使い、「汝の欲するように、人に対してもやりなさい」があります。「自分がやってもらいたいことを人にしなさい」と言っているわけで、これは孔子による「恕」であり、前回にも書きました「利他の心」です。

 「ギブアンドギブ」は編集者の生き方の極意だけではなく、建築設計者・建築士の大切な指針でもあるし「不易」と考えます。


*7 月 11 日〔土〕午後 1 時 30 分・藤沢市民会館において、「新老人の会」主催による神奈川支部フォーラムに参加しました。第一部は聖路加国際大学名誉理事長・日野原 重明 先生の 「103 歳記念講演会」で、1500 人の会場は 60 歳以上で70歳台の方々が一番多く、〔男女比 3:7 ?〕お年寄りの聴衆者で満席でした。長寿日本の中で、私達は特別養護老人ホームなど老人関係の施設創りをしていますが、介護レベル 4~5 の方々で平均年齢が 77 歳から 80 歳あたりだと思いますが、そうしたお年寄りを大勢見てきましたが、その視点からすると、講演者の日野原 先生は 103 歳、今年の秋には 104 歳とのこと、まさに超人的なお年寄りです。1500 人の前で大きな声で笑わせたり、なるほどと思わせる話をするのです。演台に手を添えていますが 30 分は立ったままでした。

 演題は「出会いから学ぶ」で、『人間の社会はとにかく人と人の出会いから始まるし、出会いを大切にした者が幸せな人生を送ることになる。出会いとは様々で、良き師との出会い、良き友との出会い、良き伴侶との出会い、良きお客様との出会いなど、老若男女問わず、学校で、職場で、地域で、どのレベルでも大切にした者が幸せになる。』・・・まったくその通りで賛同するところです。私達は創業時代から、「因なくして可なし」を大切にしてきました。これはやはり人と人の出会いのことで、因縁とか縁こそ、人の可能性を育むという教えで、日野原 先生の教えと同じです。


*第二部は「小田原少年少女合唱隊・成人男女のコーラス・新老人の会のコーラス」の三世代の歌声を聴き感動しました。コーラスは歌い手の皆さんが心と気持ちを合わせ、相当な練習をしてきたのでしょうか、日本の歌、外国の歌など 20 曲ほどに感動しました。最後は「花は咲く」を客席と一体になって合唱しました。


ありがとうございました。




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