不正の代償 〔千の60〕

 今年の夏の北海道旅行では函館から旭川まで、二日間のレンタカーによるドライブは、国産車でしたがほぼ新車のボックスカーで、述べ 1800 劼鯀行したと私のコラムで書きました。この車がジーゼル車で実によく走りましたし、燃費も良く軽油で単価も安いのです。走行中の騒音が少々気になるなどは過去のイメージのことで、静粛性も充分でした。マイカーの次の購入車はジーゼル車も悪くないなと思っていました。


*今週の驚きの大ニュースは、独フォルクスワーゲン〔VW〕の排ガス不正問題が起きたとの深刻な報道です。これは日本の国産車には問題はなく影響も限定的だと思いますが、ジーゼル車イメージの低下は迷惑な話でしょう。新聞各紙やTVニュースの要点をまとめてみます。

 乗用車と言えば、トヨタとVWが世界で 1000 万台を超す販売で 1 位 2 位を競い、米ゼネラルモーターが 3 位というところです。しかし、米国内でのシェアーではVWは低く、トヨタ、ホンダなどに及ばないのです。当然のこと、VWは米国内の不振が課題だったのです。08年のリーマンショック以後の景気低迷で燃費競争が激化したのは事実です。トヨタやホンダは御存知のハイブリッド車で攻勢をかけ、VWは「力強い走りと燃費の良さを武器にしたディーゼル車」を売り込んだのです。


*私などの素人でも分かることは、厳しい排ガス基準をパスするには、有害物質を取り除く浄化装置を開発し装備しなければなりません。当然コストがかかります。同時にパワーが落ちるのでこれを解決しなければなりません。車だけではありません。工場でも排煙を浄化するための装置や、排液を浄化するなどの装置はコストがかかるのです。環境保全にはそれなりのコストがかかること、ディゼル車のパワーはトラックやバスで明らかです。しかし加速や減速を繰り返す走行で浄化装置をフルに稼働すると、燃費が悪くなりパワーも低下しハイブリッド車に勝てないのです。


*そこで技術陣の考えたのは、排ガスの試験には燃費など関係ないので、不正をしてでもこれをパスさせ、一般走行の時は、浄化装置を使わないように切り替えるソフトを組み込めば、パワーと燃費の良さを確保できることにしたようです。走行時は規制基準の 40 倍の有害物質〔窒素酸化物など〕を排出していたようです。・・・このソフトを開発する技術はすごいと思いますが、不正技術です。企業の焦りでしょうか、期待に応えられない技術陣の悪質な近道技術でしょうか。国を裏切り、ユーザーを裏切った代償は・・・。


*不正の代償は実に高いものです。米メディアによると、米当局は大気浄化の法令違反で 2 兆 1600 億円の民事制裁金を科す可能性があると書いていますし、問題車両は世界で 1100 万台に上り、このリコールの費用も問題ですし、集団訴訟にも対処しなければなりません。

 思いだしていただきたいのですが、欧州ではドイツがすべての環境基準の厳しい国なのです。電力など太陽熱発電とか自然力によるなどは、日本などよりずっと早かったのです。そのドイツ国内でこの問題車両が 280 万台が走っているとのこと、国民は許さないでしょう。なによりブランドの失墜はこれから数年の販売の停滞です。これが生産の減少となり部品などの協力会社などの経営にも影響し大変ですし、工場で働く人達の雇用を守れるのか大変なことが続くわけで、社長はじめ経営陣の総退陣は当然としても、不正の代償は宇宙的な額になるものと思います。


*想えば、今年は国内で東洋ゴムによる免震ゴムの不正事件がありましたし、東芝の不正経理など、とにかく不正の代償は高いものです。


*企業の役員・社員が不正をしてまで業績をあげるとか、法令に違反するなどは、大・中・小のどんな企業においても、許されるものではありません。不正はミスではありません。ミスも無い方が良いのは当然ですが、チームでも個人でも全力で取り組んでいたが、うっかりミスの過失とか、人智を超えて負の現象が現れたなど、これは速やかに是正し正常な軌道に乗せれば良いのです。これとてもそれなりの経費が掛かりますが、この過失による反省と経費は今後に生きてくるでしょう。不正は知っていて行う犯罪です。これは許されません。・・・不正は絶対してはいけない。これを防ぐために企業では役員・社員が人間力を鍛えねばなりません。

 

*『求道は一生のことである。冷に耐え、苦に耐え、煩に耐え、閑に耐える。これをもって大事をなす』・・安岡正篤・東洋思想家

*『謙虚にして驕らず、さらに努力を』・・稲盛和夫・京セラ名誉会長・JAL会長

*『能力の差は 5 倍、意識の差は 100 倍』・・永守重信・日本電産社長兼会長

*『かってない困難からはかってない改革が生まれる。かってない改革からはかってない飛躍が生まれる』・・松下幸之助・バナソニック創業者

 

*さあ・・・「信頼される人、人間力を身に付けた人」が集まる職場環境創りと、真のお客様のための建築創りを仕事として併行させるのです。


ありがとうございました。



 

 


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