すごいですね 〔千の63〕

 すごいですね ! とは、2015 年ノーベル医学・生理学賞を受賞した大村 智博士のことです。新聞やTVニュースで御存じの方々が多いので詳しくは書きませんが、昨年、名城大学の赤崎 勇博士ら 3 氏が受賞した物理学賞に続いてのうれしい日本人受賞について、私の感動を少し書いておきます。


*北里大学特別栄誉教授の大村 智博士〔80〕は、『微生物が作りだす有用な化合物を多数発見し、医薬品などの開発につなげた。大村博士が見つけた化合物は熱帯地方の風土病の薬などで実用化しており、医薬や化学研究の発展に大きく貢献した功績が評価された。・・・大村博士は昭和50年、静岡県のゴルフ場の土壌中で見つけた新種の放線菌から、寄生虫や昆虫をまひさせる機能を持つ抗生物質「エバーメクチン」を発見。これを改良し米製薬大手メルクが家畜の寄生虫駆除剤「イベルメクチン」を開発した。・・・この薬剤は57年、アフリカなどの風土病である「オンコセルカ症」にも極めて高い有効性を持つことが判明。メルク社が治療薬として製品化した。・・・「イベルメクチン」は世界保健機関〔WHO〕を通じ、アフリカや中南米などで述べ10億人以上に無償提供され、多くの人々を失明の危機から救った。』・ 新聞報道の要約ですが、とにかくすごいことだと思います。


*さらにインタビューを受けて・・・受賞できると思っていたか。『候補者といわれるのは立派な人ばかり。私の仕事なんて、そんなたいしたことないと思っていたので、まさかと思っていた。』・ 謙虚ですね。・・・誰に真っ先に喜びを伝えたいか。『研究室で一緒に苦労した人達にまず伝えたい。あと、家内は16年も前に亡くなったが、いたら本当に喜んでくれただろうと思うと残念だ。』・ 仕事とは多くのスタッフと共にあるわけで、スタッフを大切に思うところも謙虚です。さらに亡くなった奥さんに伝えたいとは、若い頃から支えられていたことえの感謝ですね。・・・どんな点が評価されたと思うか。『泥臭い仕事であってもコツコツと細菌を見つける仕事に精通してきたことを認めていただいたと思う。』・コツコツと仕事をすることを認められたなど、どんな職業にも励みになります。・・・研究者としての信条は。『世の中に役立つ仕事を一つでも二つでも余計にやりたいと思ってきた。それが、北里研究所の実学精神だ !』・ なるほど、レベルや環境とか業種が違っても、世の中に役立つ仕事ぶりは誰もが大いに学ぶことだと思います。


*大村博士は文武両道とのことにも驚きました。若い頃はスキーの選手で国体にも出場したとのこと、これもすごいことです。スポーツでコツコツと体を鍛え、研究生活の粘り強さに活かされたと思います。大村博士と同居している長女の育代さんは、『教育者としての一面を家庭でも垣間見られ、育代さんにはいつも、「嘘をつくな。周りの人を大切にしなさい。」と言い聞かされてきた。』・なるほど、これも大切なことです。


*北里研究所の実学精神だ ! については、私のコラム〔第889回〕・2013-07-04・「チームと個」の後半で、日本の偉人「北里 柴三郎」〔1852~1931〕・〔破傷風の研究をし、破傷風菌を純粋培養することに成功し、「免疫血清」とその療法を開発。現代なら確実にノーベル賞とも言われています〕を取り上げていますので読んでみてください。

 100 年ほど前に北里 柴三郎博士が設けた北里研究所。設立者の精神が100 年も脈々と生き続けていることについては、広い社会ではそんなに多くはないのですが、北里 柴三郎博士から大村 智博士につながるのは見事な継承です。さらに、28 年前にノーベル生理学・医学賞を受賞した利根川 進博士の研究にもつながっているとのこと。『北里が発見し、利根川が解明した「抗体」100 年の謎。』とも医学界では言われているようですし、現代の医薬品会社である「テルモ株式会社」についても、1921 年に設立する時も北里博士が発起人となっているようです。もう一つつながりを加えれば、この北里 柴三郎がドイツ留学から帰国してから福沢 諭吉が北里を応援した。福沢の没したあと、二代目の鎌田塾長から「慶応に医学科を設けるのは福沢の悲願」であったとの相談を受け、即座に賛成し、「福沢先生の恩顧に報いるのは、この時である」と、設立の中心となり、1917 年北里柴三郎博士は初代医学学科長に就任したのです。この見事なつながりが、北里の実学精神です。すごいことです。


*うれしいノーベル医学・生理学賞のことを書きましたが、この数日、横浜の「マンションの杭、52 本中 8 本が支持層にまで達していない」との報道が続いていますが、さらに技術的な不始末が拡大しそうですし、入居している方々のご心配やご意向などや、工事の元請責任、一次下請け責任、二次下請け責任、それぞれの工事監督責任、監理者責任など大変な問題で、解決に手間取りそうです。私の先日のコラム〔千の60〕「不正の代償」において、VWのジーゼル車の排ガス不正問題を書きましたが、企業の技術不正は許されるものではありません。近いうちにまとめてみたいと思います。


ありがとうございました。



コメント
コメントする








   



selected entries

recent comment

recommend

笑顔がいっぱいの園舎づくり(幼児の城 7)
笑顔がいっぱいの園舎づくり(幼児の城 7) (JUGEMレビュー »)
日比野設計
2016年発売
園舎資料の最新版。
国内外の写真多数掲載。
好評発売中
日比野設計+幼児の城著

recommend

福祉施設の未来を創る‐絆‐高齢者施設・障がい者施設資料集
福祉施設の未来を創る‐絆‐高齢者施設・障がい者施設資料集 (JUGEMレビュー »)
日比野設計,阿久根佐和子
2014年発売


高齢者福祉施設、障碍者福祉施設特集

recommend

愛される園舎のつくりかた (幼児の城 6)
愛される園舎のつくりかた (幼児の城 6) (JUGEMレビュー »)
日比野設計
2013年発売
園舎資料の最新版。
国内外の写真多数掲載。
好評発売中
日比野設計+幼児の城著

recommend

世界でたったひとつの園舎づくり 幼児の城〈5〉
世界でたったひとつの園舎づくり 幼児の城〈5〉 (JUGEMレビュー »)
日比野設計
2009年発売
園舎資料の最新版。
国内外の写真多数掲載。
好評発売中
日比野設計+幼児の城著

links

search this site.

others

mobile

qrcode