徳に基づき 〔千の82〕

 3 月 11 日・午後 2 時 46 分、あの大災害・東日本大震災から 5 年です。この 2 週間は新聞やTVなどは災害特番が続いていましたので、多くの方々は悲しみを共有したものと思います。なんと、亡くなられた方々と行方不明者が 2 万 千 人を超えるとのこと、亡くなられた御霊に心からご冥福を祈ります。同時にご遺族の方々の悲しみに心からお見舞い申し上げます。

 それにしましても、東京直下型地震や南海地方の地震などが、地震等の専門家の先生方がいつ起きてもおかしくないなど、警戒することを伝えてくれていますが、教訓を活かす防災・減災について、行政、建築・土木の専門家、そして全国民は心するべきだと思います。

 それにしましても、私は建築の専門家として、災害直後の仮設住宅についての問題点を感じます。足りないとなると早くどんどん造れと言うことも当然だと思います。しかし、短期の仮設住宅であるはずが、未だに復興が遅れ、何千戸という仮設住宅で希望も持てずやむなしの生活で我慢している方々がいるわけです。均質化された仮設住宅で、狭い、寒い、結露、カビなどの不快な生活が続いているのです。足りないとか、急ぐなどの要請に対して、「画一的・均質化」したものを当たり前として供給してきたことに、大変困難な問題ではありますが、私は疑問を感じているのです。

 災害でもない待機児童対策や待機老人対策などで、足りないからプレハブでもなんでもよい「均質化」したものを早くどんどん供給する社会になってしまう危惧を心配するのです。何事においても、豊かな社会においては、広く人々の個性を重視する「時間・スペース・空間」を大切にする社会であってほしいと考えます。


 さて、表題について、月刊誌「致知」で、長年毎月交代で、「巻頭の言葉」を担当している 稲盛 和夫氏・鍵山 秀三郎氏・牛尾 治郎氏・中条 高徳氏の各先生方が述べることに、なるほどごもっともであると毎月感動しているのですが、述べられていることで、[人生の大則」と言える共通のことを最近感じています。それは、「徳」を身に付けることではないか、と、この頃受け止めています。


*稲盛 和夫氏は、『経営はトップの器で決まる・企業を発展させていこうとするなら、まずは経営者が人間としての器、言い換えれば、自分の人間性、哲学、考え方、人格というものを、絶えず向上させていくよう、努力を重ねていくことが求められるのです。しかし近年、日本ではそのようなことを理解する経営者が少なくなっています。少しばかり事業で成功を収めただけで、謙虚さを失い、傲岸不遜に振る舞い、私利私欲の追及に走ることで、せっかく手にした成功を失ってしまう経営者が続いているのです。いまこそ賢人、聖人たちの知恵に学び、「徳」ということの大切さを改めて理解することが大切です。単に一つの集団の発展を導くのみならず、荒みいく日本社会の再生にあたっても、大きな貢献を果たすのではないでしょうか。』・・・さすがに稲盛さんの言葉には実績と共に説得力があります。


*会社の経営者や役員、プロジェクトのリーダーだけではなく、学校の教師、部活動の監督やコーチ、主将など人の上に立つ者皆が心すべきことだと思います。


*私の書いてきた 1000 編のコラムで、基本的に掲げていることはやはり「徳」で、建築設計者として、業務を推進することにおいて、最も大切な心の在り様と考えてきました。我が社の社長はじめ役員社員は皆「有徳人」とお客様や関係者から評価いただきたいといつも願っています。・・・過去に下記のような「徳」について書いています。

・07-09-08 〔第219回〕・「徳と集団」

・07-10-07 〔第233回〕・「母の徳」

・08-03-19 〔第314回〕・「徳は得なり」

・09-03-20 〔第462回〕・「徳と人物」

・11-04-16 〔第712回〕・「徳に基づき・・・」

・14-11-08 〔第999回〕・「人に長たる者の人間学 その3」で「徳」について


*「徳は得なり」では、「徳」というのを平たく初歩的に言うと、人間が自然から与えられているもの全て。即ち、得たるところのもの、みな「徳」だ。天から、自然から、親から生んでもらって与えられたものみな「徳」という。だから「徳は得なり」ともいう。

 また植物論で言えば、「玄徳」のことを根。だから人間学を確り養い〔太陽や水、肥料〕、芽が出てきたらこれを良く世話をして〔太陽や水、そして雑草を除去し〕育て美しい花を咲かせる。これを明らかにするという意味の「明徳」という。

 「徳と人物」においては、まず、両親の「徳」に触れ、親孝行として「徳」のお返しをしてほしいと書きました。お返しは高価な物ではなく、「心」の温かい言葉からはじめるのです。両親に対し「ありがとうございます」から。


*感性を磨いていくと、お客様や友人の「徳」に触れ、感動をいただく最高の人生を歩めるようになると思います。・・・因みに、私が業務を始めてからこれまで、多くのお客様や関係者から「徳」をいただき、大変幸せです。最初にいただいた「徳」による感動は、湘南やまゆり学園の前理事長・小山 昭雄 先生です。昭和 50 年代から茅ヶ崎市、伊勢原市、横浜市の 3 市内に 8 園舎を経営され、常に 2000 名を超える子たちを教育されています。全ての園舎の設計を担当させていただき、学園の充実発展のお手伝いをさせていただきましたが、先生は私利私欲なく、視野は全て幼児教育のことで、「三つ子の魂 百まで」と、「国家の人づくり」は幼児教育から始まるが信念で、「有徳」の哲人・賢人です。「日比野設計の設計図は心で描く」と、ある書に書いていただき、感激したことは忘れません。弊社の「幼児の城」の原点は、ここから始まったのです。湘南やまゆり学園さんは今年創立 50 周年とのこと、誠におめでとうございます。小山 昭雄先生は 80 歳を超えられましたが、今後も健康長寿で、まだまだ広く社会に意見していただきたいと思います。


*来週の 3 月 14 日に、弊社では臨時株主総会を開催し、新社長はじめ新役員が決まります。ここまで、安藤 達郎社長が社業の充実発展に貢献されました。今後は会長に就任する予定です。新生日比野 設計は「有徳集団」として、さらにお客様と社会に貢献する所存です。

 広く社会の皆様に今後とも、ご支援ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。


ありがとうございました。


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