働くということ 〔千の86〕

 何年前でしたか、京セラ名誉会長・稲盛和夫さんの話に、「与えられた仕事を天職と考える」がありました。要点を書いてみます。『一生懸命働くことが、人生を素晴らしいものに導いてくれたのです。働くことは、まさに人生の試練や逆境さえも克服することができる「万病に効く薬」のようなものです。誰にも負けない努力を重ね、夢中になって働くことで、運命も大きく開けていくのです。人は得てして、恵まれた環境にあっても、与えられた仕事をつまらないと思い、不平不満を口にします。しかし、それで運命が好転するわけではありません。与えられた仕事を天職と思い、その仕事を好きになるよう努力し、さらに打ち込むのです。そうするうちに不平不満は消え、仕事も順調に進むようになっていくはずです。そして、さらに懸命に働き続けていくことで、すばらしい考え方や人格を自分のものにすることができ、結果として物心ともに豊かな人生を送ることができるのです。』・・・いい話でしょう。この話を 5 年前の我が社の入社式に話の要点を使わせていただきました。そうなんです。私は創業以来「物心両立」を掲げて働いてきました。
 自分の仕事に誇りを持って、どんな困難に直面しようとも、誰にも負けない努力をいつも明るく前向きに重ねれば、人生は必ずや豊かで実り多いもの、即ち「物心両立」を実現できるということです。第一線を引退しました 75 歳の私が、このことを、今を生きる若者に伝えるのが責務であると思っています。

*毎年の新入社員研修で話してきました講義の中で、自らもこれは最も大切だと、思い続けてきた要点の三つを書いておきます。

*講義の第一は、論語の引用です。「知・好・楽」・・・建築のこと、最初は何でも知ろうとすること、学ぶことが大切です。次はそれ以上に建築を好きにならなければ、知った意味がありません。建築のこと、仕事をすること、即ち、「利他の心」をもって人々のために働くことが、こんなに面白くて楽しいものかという段階までくれば本物です〔20年はかかるかな ?〕。目標を持って歩んでください。

*講義の第二は、「不思議の勝ちを演出する」・・・勝負の世界でよく聞く話で、「勝ちに不思議な勝ち在り、負けに不思議な負けなし」というものがあります。失敗には必ず原因があり、分析して反省し、次に活かす生活習慣を築くことです。企業には「不思議な勝ち」で成功を収めているところが多く見受けられます。私はこれを「目に見えない信用」を築いているからだと思っています。例えば、プロポーザルで最終案に二つ残ったとしますと、実績とか伝統とか所属する役員・社員の人物力とかで、最終的には、総合信用のある方が選ばれるケースはままあると思います。個々人・会社共に信用を築くことが大切です。

*講義の第三は、「積善の家、必 有余慶」・・・小さな良きことを積み重ねる生活姿勢が大切で、こういう個々人や会社には、必ずや喜びや幸せがあるということです。私たちは福祉施設の仕事をしていますが、仕事でも私生活でも、善の積み重ね、これこそ福祉に携わる者の生き方です。まずは身の回りの方々に気持ちよくなっていただく、「喜びの種を蒔く」親切運動から始めたいものです。

*働くということはなんと楽しいことか・・・ありがとうございました。

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