健体康心 〔千の92〕

 コラムを千回書いて 10  年、何事も「継続は力」「一事一貫」と、創業来社員の皆さんに説いてきたわけで、唱えている私本人が、続けないとか一貫しないとかでは説明がつかないわけで、「三日坊主」と後ろ指を指されたくない一心で書いてきたという一面もあったのは事実です。しかし、何よりも会社経営において、お客様の建築を創り続け、守るためにはこの業務を続けることが大切で、それには役員・社員共々に歩み続ける必要があるのです。そのためにはデザイン力、技術力の充実向上と併行して人間力を養い磨く必要があると考えてきました。創業から 30 年ぐらいまでは、毎週の会議で社会の出来事を解説したり、デザインや技術のことを含めて語り続けてきました。役員・社員の皆さんも十分に理解の上で社業に励んでくれました。
 12 年ほど前からコラムを先に書いて、会議に資することを思いつき、コラムを解説するようになりました。文字化することは記録に残りますし、私自身でコラムをファイルし、時々振り返ることにしています。最近感じています役員・社員の資質向上は、お客様から寄せていただく信用と、個々の作品の質の向上も具体的になってきたことで、コラムを書き続けてきた意味も含めて共々喜んでいます。それでもこうした業務の行きつく先に終わりはないわけで、油断せず、気配りと目配りをやり続けなければなりません。またまた、何事も「継続は力」「一事一貫」ということに行き着くわけで、役員・社員の皆さんに大いに期待するところです。

*千回の時に「千願達成」で書き収めと考えていましたが、もう少しという声もいただき、後 100 回と目標を立てましたから、今回のコラムは「千の92」ですから後 8 回で収めますので最後まで読んでください。その後、千100 篇の中から 100 選集の小冊子を半年ぐらいかけて編集し、毎年の新人教育研修に使っていただこうと考えています。

*表題の「健体康心」は、前回のコラムの最後に書きました。
ものの本に『健康とは、健体〔すこやかな体〕と康心〔やすらかな心〕のことである。体を健やかに保つこと。それは天地から体を与えられた人間の務めである。そしてそれ以上に大事なのが、心を康らかに保つことだ。体が丈夫でも心が康らかでなかったら、健康とはいえない。いや、たとえ体が病弱でも心が康らかなら、生命は健やかである。これは人間個々から小さな組織、国家まで、あらゆる生命体にいえることであろう。』と、書いていますが、なるほどその通りだと思います。

*良い仕事、難解な仕事、期間の厳しい仕事、予算の厳しい仕事、お客様の要望が多岐であること、大きな仕事などに責任を背負って取り組むには、「健体康心」でないと務まらないと若い頃確信を持ちました。「健体康心」と建築をつくり続ける実践。

*75 歳にして、恥ずかしながら少し自分のことを振り返りますが、何よりも両親に感謝です。丈夫な体に産んでいただきました。小学 4 年生の頃、父親が剣道をやってみたらどうかと古道具屋で防具を買ってくれました。折々に良き師範に指導を受け、その後 30 歳まで剣道を続けました。おかげさまで、高校剣道では全国大会に、大学剣道では学生選手権にそれぞれ出場しました。〔 30 歳の時 4 段に合格〕20 歳代は少年剣道を指導しました。30 歳で会社を興し、社員の皆さんと共に草野球チームをつくり 10 年間地域のリーグ戦に出場を続けました。40 歳からテニスを始め現在まで 35 年続いています。最近は出社が月 1~2 回になりましたので、週 4 回の午前中はコートに出かけますし、ほぼ毎日入浴も兼ねて、夕方整備運動のつもりでスポーツジムに通い、体の基礎的な手入れをしています。
 『打って反省、打たれて感謝』という剣道の教えがありますが、これはテニスにも通じますし、上には上があり、幾つになっても学びて習うことは、また楽しいというところです。
 食生活においても、いつも美味しく一日 3 食をいただきますし、妻が栄養価のバランスを考えてくれます。酒は薬の役割 ? です。たばこは断煙して 17 年経ちました。
 康心においては、何よりも趣味は読書です。月に小説を 2~3 冊、歴史小説、経済小説、推理小説など乱読。月刊誌、週刊経済誌、新聞 2 紙なども目を通しますし、気になる記事は切り取ってストックしています。

*役員・社員の皆さん、急がなくてもいいのですが、日頃の忙しい業務から月に数回は心身を解放して、「健体康心」を心掛けてください。社会のお役に立つ良質な建築は、担当する皆さんが、「健体康心」であってこそ誕生するのです。すばらしい建築人生を築いてください。
 安岡 正篤 師の言葉に、『・欲を少なくして惑〔まどい〕を医〔いや〕す。 ・事を省いて忙を医す。 ・書を読んで俗を医す。』などの教えがあります。

*先にアメリカ建築雑誌社から受賞したと報告いたしました件、社長がニューヨークに招待された会場の写真が、「幼児の城ブログ」に掲載されていますのでご覧ください。

ありがとうございました。
 

コメント
管理者の承認待ちコメントです。
  • -
  • 2016/05/22 10:52 AM
吉田さん、ご無沙汰申し上げていますが、久しぶりにコメントに接すれば、大変でしたね。お見舞い申し上げます。情報があれば入院中に出かけてお見舞いできたのに残念です。吉田さんの歌にも気持ちがありますし、奥様の愛情も感じます。回復を祈っています。
 先日、大学の新校舎披露に招待され、出かけてきました。あれもこれも、何よりも往時をしのべば様変わりで驚きました。市民に親しまれた大学として開かれています。それではまた。
2016-5-22 日比野 満
  • 日比野満
  • 2016/05/22 6:29 PM
コメントする








   



selected entries

recent comment

recommend

笑顔がいっぱいの園舎づくり(幼児の城 7)
笑顔がいっぱいの園舎づくり(幼児の城 7) (JUGEMレビュー »)
日比野設計
2016年発売
園舎資料の最新版。
国内外の写真多数掲載。
好評発売中
日比野設計+幼児の城著

recommend

福祉施設の未来を創る‐絆‐高齢者施設・障がい者施設資料集
福祉施設の未来を創る‐絆‐高齢者施設・障がい者施設資料集 (JUGEMレビュー »)
日比野設計,阿久根佐和子
2014年発売


高齢者福祉施設、障碍者福祉施設特集

recommend

愛される園舎のつくりかた (幼児の城 6)
愛される園舎のつくりかた (幼児の城 6) (JUGEMレビュー »)
日比野設計
2013年発売
園舎資料の最新版。
国内外の写真多数掲載。
好評発売中
日比野設計+幼児の城著

recommend

世界でたったひとつの園舎づくり 幼児の城〈5〉
世界でたったひとつの園舎づくり 幼児の城〈5〉 (JUGEMレビュー »)
日比野設計
2009年発売
園舎資料の最新版。
国内外の写真多数掲載。
好評発売中
日比野設計+幼児の城著

links

search this site.

others

mobile

qrcode