教育講演会 〔千の95〕

 平成 28 年 6 月 4 日〔土〕・ 創立 50 周年の学校法人湘南やまゆり学園が、神奈川県内 8 ケ所の拠点で幼児教育の充実した成果をあげていますが、県央地域のその一つ、伊勢原市内で運営する「認定こども園  中央マドカ幼稚園」を会場にして、幼年国語教育会を主宰する登竜館が、「第 9 回幼稚園・保育園 教育者サミット 21  in 神奈川」を開催。「寺子屋環境の継承と創造」というテーマで、園舎見学や公開授業、講演会などがありました。全国の幼稚園や保育園で働く教師や保育士の皆さんが200人ぐらい参加されていました。
 
*私が拝聴し感動しましたのは教育講演会で、作家の石川 真理子さんの「子に与えるのは物より心」という話でした。石川 真理子さんは、月刊誌「致知」にも時々登場していますが、致知出版社刊の「女子の武士道」「勝海舟 修養訓」の著者で有名です。90 分の話は「女子の武士道」の内容について話されました。
 
*石川 真理子さんの先祖は米沢藩の藩士。米沢藩と言えば上杉鷹山が若くして家督を相続しますが、当時の米沢藩は多額な借財をかかえて大変苦しい財政で、大倹約令を発令し自ら質素倹約に努め、同時に殖産興業にも力を注ぎ、見事財政を立て直したと伝えられていることは歴史上も有名な話です。現代になって不況時代の経営の鏡のように持てはやされたことも有名です。

*武士の家庭で育った石川さんの祖母は、厳格な武家の娘としての躾を受け、明治・大正・昭和という激動の時代を生きました。その祖母と 12 歳まで共に暮らした石川さんは、「人としての心得」「女性としてのありかた」を学んだ。それはまさに武士道であったこと、武家の娘の矜持そのものであったことを 20 代も半ばになって知りました。・・・そういう話ですが、これらの教えは女子も男子も同じく「学びて習う」ことだと私は思いました。要点をまとめてみます。

*朝の挨拶・・「おはようございます」の後、「今日も命がありましたね」「気持ちの良い朝だね」「顔色が良いね」「何か良いことありそうだね」とか、何か一言添えることから一日がはじまることが大切。

*表情と姿勢・・その人の姿勢を見ればどういう生き方をしているかが解る。・背骨をピンと伸ばすこと。森 信三先生が「腰骨を伸ばせ」と教えていることに通じる。・表情によって人を楽しませたり、不愉快にさせたりするから、常に自分に向き合い、笑顔が大切。・・・どんな職業の社会人にも通じることです。

*克己心・こっきしん・・武士道が目指すのは、己の弱さを克服することです。辛抱できる強い心のことを「克己心」というのです。子どもに幸せになって欲しいと願わない親はいません。その願いを叶える方法は、「克己心」を育むこと、これに尽きると思います。子どもが欲しがる物を何でも与えるのはいかがでしょうか。今の世の中は物が溢れています。大人は子に物を与え過ぎだと思います。数少ない与えられた物で遊ぶ工夫から、想像する力・創造する力や心の豊かさを育てることができると思います。我慢をさせることも「克己心」を養うことです。社会に出ればむしろ思い通りにならないことの方が多いものです。・・・賛同です。

*「公・おおやけ」・何事も公の精神を基本にしなさい。現代は私や個を優先し過ぎる。勿論自分を大切にすることも大事であるが、公を基本にしていれば、自分も生かされてくる。・才能を世のために使うのが仕事。・何をすれば世の役に立つか、それを考え行うのが仕事です。・利益ばかり追ってはいけない。才能というのは誰にでも与えられているものです。けれどもそれは自分だけが得をするためにあたえられているものではありません。世のため人のためにすることを与えられているのです。人に喜んでもらうことをする、これこそ「公」であるわけです。・・・なるほど、その通りです。

*参会者は教師や保育士ですから、教育とか保育という「公」の仕事です。育つ子どもによって日本の未来が決まるのです。教育・保育は私事にあらず、公事であり天に事〔つかえ〕る職分なり。・・・なるほど。

*講演会の報告はこれぐらいにしておきますが、「女子の武士道」の一冊にはまだまだなるほどという話が盛り沢山ありますので、多くの方々に読んでいただきたい一冊です。教師や保育士の女子に対する話ではなく、どんな職業の男女の方々にも「公」の意識は必要だと思います。特に私達、建築設計に従事する者には必須のことで、私が過去のコラムで何回も「社会のお役に立つ仕事」を皆で実践しようとしてきたことは、まさに「公」のことなのです。大いに賛同することばかりで、感動をいただいた教育講演会でした。「凛として生きる」姿の石川 真理子さんに、多くの参会者は魅了されたものと思いますが、私もその一人です。

ありがとうございました。


コメント
コメントする








   



selected entries

recent comment

recommend

笑顔がいっぱいの園舎づくり(幼児の城 7)
笑顔がいっぱいの園舎づくり(幼児の城 7) (JUGEMレビュー »)
日比野設計
2016年発売
園舎資料の最新版。
国内外の写真多数掲載。
好評発売中
日比野設計+幼児の城著

recommend

福祉施設の未来を創る‐絆‐高齢者施設・障がい者施設資料集
福祉施設の未来を創る‐絆‐高齢者施設・障がい者施設資料集 (JUGEMレビュー »)
日比野設計,阿久根佐和子
2014年発売


高齢者福祉施設、障碍者福祉施設特集

recommend

愛される園舎のつくりかた (幼児の城 6)
愛される園舎のつくりかた (幼児の城 6) (JUGEMレビュー »)
日比野設計
2013年発売
園舎資料の最新版。
国内外の写真多数掲載。
好評発売中
日比野設計+幼児の城著

recommend

世界でたったひとつの園舎づくり 幼児の城〈5〉
世界でたったひとつの園舎づくり 幼児の城〈5〉 (JUGEMレビュー »)
日比野設計
2009年発売
園舎資料の最新版。
国内外の写真多数掲載。
好評発売中
日比野設計+幼児の城著

links

search this site.

others

mobile

qrcode