納まり   (第183回)

「納まり」について、広辞苑によれば
「混乱している事物を安定した状態にする。」
「事柄・行為などを落ち着いた状態にする。」
「ようやく「納まり」がついた。」
などが主なところですが、この言葉にはまだまだ多様な使い方があるようです。

世の中には「納まり」具合と言うものがあります。物事が納まるべきところに、馴染み良く納まることが、生活としても望むところです。

会社でも、人事や色々な案件が納まるべきところに納まることで、人心が安定し、成果も期待できるものと思います。

建築の世界にも専門用語として、「納まり」があります。「納まり」は基本的な約束事です。
建築設計を進めるには、「鉄筋コンクリート造」「鉄骨造」「木造」などの工法としての特性を承知していなければ、次ぎへ進めません。その上で物と物がどのように組み合わされ、強度や安定性、安全性の上で、程よいスケールの押さえが必要です。
「大きすぎず・小さすぎず」「長すぎず・短すぎず」「太すぎず・細すぎず」などがスケールの押さえの基本ですが、建築を見れば、技術として、デザインとしての成熟度が解りますし、設計担当者のレベルが解ります。若い方々の成長の証でもあります。

また「納まり」には、守りの「納まり」と創作の「納まり」があると、私は思っています。守りの方は、伝統的なことから、建材メーカーの製品によるディテールまで、多岐に渡りますが、若い方々は覚える事から始めなければなりません。
ディテールを覚えるときは、できるだけ縮尺を拡大方向が、物と物の゛からみ゛がよく解ると思います。

34年前にアメリカ視察旅行の際、二つの建築事務所を訪問しましたが、アメリカの若い設計者が設計において、1/20、1/10、1/5、さらに原寸に拡大している作業を見学し、なるほどと思ったことを思い出しました。

創作の「納まり」は、経験を重ねたベテランの出番です。「創」の字「り」は刀を意味していて、古いものを刀で切り壊すところから、新しい物が創られると言うことだと、先人が教えてくれています。

若い方々は、急ぐ必要はありません。守りの「納まり」を確実にマスターして、創作の「納まり」に進み、トータルに建築を創ってほしいと思います。

ありがとうございました。

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